平成17年12月14日
報道関係各位
NECディスプレイソリューションズ株式会社
LEDバックライトシステム採用の
21.3型UXGA液晶ディスプレイの発売について
NECディスプレイソリューションズ株式会社(社長:松田 博利、本社:東京都港区)はこの度、LEDを使用したバックライトシステムを搭載し、Adobe®RGB(注1)のカラースペースを越える色域を表示できる、21.3型UXGA(1600ドット×1200ライン)液晶ディスプレイ「LCD2180WG LED」を来年1月31日より発売いたします。
- 新商品の概要
本液晶ディスプレイは、当社で初めてLEDをバックライトシステムに搭載したモデルであり、RGB3色のLEDを使用し、液晶パネルのカラーフィルターに改良を加えることで広い色域をカバーすることができました。
これにより、これまで液晶ディスプレイでは再現が困難と言われていた、Adobe®RGB をはじめ、JMPAカラー(注2)、JAPAN COLOR(注3)の標準色域をカバーすることができるようになりました。
デザイン、DTP、印刷、広告分野など、より忠実な色再現に対するニーズに応えるプロフェッショナル用ディスプレイとして市場に投入いたします。
本ディスプレイの価格・発売日・販売台数は、次の通りです。
機種名 |
発売日 |
希望小売価格 |
販売目標台数 |
「LCD2180WG LED」 |
2006年1月31日 |
1,029,000円(税込) |
1000台/年 |
- 発売の背景
近年、デジタル技術の発展にともない、グラフィックデザイン、DTP、印刷分野などでは印刷までの作業をディスプレイ画面上で行うことが多くなってまいりました。しかしながら、印刷や高級デジタルカメラなどの標準的な色空間である、Adobe®RGB に対し、従来のディスプレイではその70%~80%程度の色再現性しかありませんでした。そのため、デザイナーは実際に試し印刷を繰返し、色の調整、確認を行わねばならず、作業効率改善のため、より色域の広いディスプレイが求められておりました。
このような業界などのご要望にお応えするものとして、当社は2003年12月に広色域CRTディスプレイ「RDF225WG」(※)を発売いたしました。
大変な好評を博しましたが同時に液晶ディスプレイでの商品化を望む声が強くありました。
ますますコンテンツのデジタル化が進み、そのニーズがより高まっているなか、CRTで培ったノウハウを継承し、この度LEDバックライトを搭載した液晶ディスプレイを発売し、お客さまからのご要望にお応えするものです。
※発売当時の社名はNEC三菱電機ビジュアルシステムズ株式会社でした。
- 新商品の主な特長
(1) RGB3色のLEDバックライトシステムを採用
コンピュータグラフィック、デジタルアニメーション、医用画像、DTP、印刷、映画などの分野でプロフェッショナルレベルのユーザーに、精密な画像カラースケールの新しい水準を提供いたします。
(2) Adobe®RGBのカラースペースを超える色域をカバー
本商品は、バックライト光源にLEDを使用し、液晶パネルのカラーフィルターに改良を加えることで広色域化を実現しました。これにより、従来のディスプレイでは困難であったリアルな色彩で表現することが可能になりました。
(3) 当社独自のカラーキャリブレーションソフトウェアを標準添付
当社推奨のカラーセンサー(※)を用いることで、高精度に色の測定、補正ができるハードウェアキャリブレーション方式を採用しています。キャリブレーション目標値(輝度・白色点・ガンマ)を設定するだけで、自動的にICCプロファイル(注4)を作成、保存できます。
※:カラーセンサーは、別途用意いただく必要があります。
(4) 白色点可変システム
RGB3色のLEDバックライトシステムの採用により、RGB単色での調光が可能となり、本来の輝度、コントラストを損なうことなく、白色点の色温度を可変できるようになりました。
(5) カラーフィードバックシステム
本体に内蔵したセンサーの働きにより、電源投入後の不安定な輝度、色度を自動的に補正し、1分以内に目標の色に安定させます。本商品の使用中もこのシステムにより、色の安定性が保たれます。
(6) プロフェッショナル用途のさまざまな利用環境に対応するための各種機能
- ムラ補正機能
画面の輝度ムラ、色ムラ、ガンマを補正できます。
- 10ビットガンマ補正機能。
RGB各色に10ビットのルックアップテーブルを採用することで、約10億6433万色中1677万色の表示が可能です。
- アンチグレア処理
プロユースが求める映りこみを抑えたアンチグレア処理。
なお、新商品の詳細仕様につきましては、こちらをご参照ください。
以上
(注1)Adobe®RGB
米国アドビシステムズ社(Adobe Systems Incorporated)製のアプリケーションソフトウエア “Photoshop”にて用いられている標準の色空間。DTPや印刷業界では既に広く用いられています。
(注2)JMPAカラー
社団法人日本雑誌協会が策定した雑誌広告におけるオフセット輪転機をターゲットにした色の基準である。
(注3)JAPAN COLOR
社団法人日本印刷学会ISO/TC130国内委員会が策定した日本の枚葉オフセット印刷の標準色です。
(注4)ICCプロファイル
ICC(International Color Consortium)により策定された、ある特定の機器がどのように色を再現するか、機器の色域を記述したファイルです。主にディスプレイ、入力機器(デジタルカメラやスキャナ)、出力機器(プリンターなど)の3つのタイプの機器に対して作成されます。
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